今年7月以降、自殺者が急増しています。
10月は2153人と、昨年同月より614人増え、2015年5月以来の多さとなっています。
なかでも、女性の自殺者が著しく増加しています。
なお、10月の女性の自殺者数851人は、2011年8月にやはり851人を記録して以来の酷さとなります。
また、今年6月までは2019年を下回って推移していたのですが、7月以降の急激な悪化を受け、10月までの累計では2019年の10月までの自殺者数を上回りました。
自殺の原因は、様々な要因が複雑に絡み合っていますが、新型コロナ禍での経済の悪化が直接・間接に自殺者を増やしているのは、この記事「増え続けるコロナ関連自殺。コロナ対策、経済対策、どちらも大事だ。」で述べた通りです。
さて、本日(12月1日)、10月の失業率が総務省統計局から公表されましたので、10月の自殺者のうち新型コロナ関連自殺者の推計を更新してみました。なお、失業率は2019年12月を底として、悪化を続けていることが分かります。
その結果、10月の自殺者2153人のうち、新型コロナ関連自殺者は、新型コロナ禍で倒産や失職などを直接の原因とする自殺者が289人、新型コロナ禍の中、精神的に追い込まれたり、同居人から暴力を受けたりなど間接的な原因とする自殺者が196人、合計485人となりました。これで今年1月からの新型コロナ関連自殺者は2050人となったと推計されました。
ちなみに、10月までの新型コロナによる死亡者は厚生労働省の調べによれば1765人でしたので、新型コロナ関連自殺者が上回ったことになります。
ご注意頂きたいのは、わたしは新型コロナ対策が不要と申し上げている訳ではありません。
毎日報道される新型コロナ陽性者数に一喜一憂し、全国一律に経済に過度なブレーキをかけてはならないとだけ申し上げたいのです。
なぜなら、経済を人為的に抑制することは、自殺者を人為的に増やすことに他ならないからです。
自殺予備軍は、新型コロナ患者と違って、皆さんからは見えないかもしれません。しかし、自殺予備軍は確実に存在します。
自殺予備軍は、新型コロナ患者と違って、重症者ベッドを占有しないかもしれません。しかし、自殺予備軍はどこかで苦しんでいます。
自殺予備軍は、新型コロナ患者と違って、医療崩壊の引き金にはならないかもしれません。しかし、自殺予備軍の放置は社会崩壊の引き金になります。
新型コロナ患者も、自殺予備軍も、助けようと思えば、助けられる命であることにかわりありません。
年齢や性別、社会的地位で、命に軽重はありません。
新型コロナ対策に限らず、経済活動の低下は、より弱い立場の者-安定した職に就く者よりは不安定な職に就く者、男性よりは女性、大人よりは子ども-に確実に悪影響を与えます。コロナ関連自殺を防ぐには、経済を止めることなく、医療と経済の両立を目指すことが肝要です。
現実には、新型コロナの影響を受けやすく、経済を止めても収入が保障されている者と、新型コロナの影響を受けにくく、経済を止めたら収入が保障されない者とでは、優先したいと考える政策が異なるでしょう。
政治はより声の大きい方に向くきらいがあるのは間違いありません。特に、ポピュリズムがはびこる昨今にあってはなおさらです。
しかし、政治家は、有権者間の利害調整を図り、社会的により望ましい政策を実現するためにこそ、存在意義があるはずです。
「防ごう重症化、守ろう高齢者」とか「5つの小(こ)」とか「感染対策 短期集中」とか「勝負の3週間」とか、キャッチ―なフレーズをひねり出すのも結構ですが、守らなければならないのはなにも高齢者に限ったことではありません。本当に守るべきは、身体的にも、精神的にも、経済的にも、より弱い立場にある方々のはずです。
政治家が真に注力すべきなのは、コロナでも自殺でも、本来であれば救える命、失われる必要のない命をいかにして守るのか、そのための施策を示し、実行していくことだと思いますが、いかがでしょうか?
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