レバノンの外務省はゴーン被告の入国が「合法的だ」としており、日本側が身柄の引き渡しを要請した場合に協力を得られるかは不透明だ
【ベイルート=小川知世】日産自動車のカルロス・ゴーン元会長(65)が渡航禁止の保釈条件に違反してレバノンに逃亡した問題で、同国外務省は12月31日、元会長が入国するまでの経緯について「個人的な問題であり、分からない」と政府の関与を否定する声明を出した。同省は入国が「合法的だ」としており、日本側が身柄の引き渡しを要請した場合に協力を得られるかは不透明だ。
レバノン外務省によると、ゴーン元会長は12月30日朝に入国した。同省は元会長の入国を公式に認めたものの、日本からの出国や首都ベイルートに到着した経緯は知らないと主張した。レバノンの治安当局幹部も12月31日、同国営メディアに対し、元会長が合法的に入国し、何らかの法的措置を取る必要性はないとの見解を示した。
日本の検察・法務当局は元会長の保釈取り消しを受けて、外交ルートを通じて身柄の引き渡しをレバノン政府に要請するとみられる。両国の間には犯罪人引き渡し条約がなく、引き渡しが実現するかは政府間の交渉次第となる。元会長が2018年11月に逮捕された後も、レバノン政府は勾留長期化に懸念を表明するなど元会長を擁護する立場をとってきた。
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レバノン政府が関与否定 ゴーン元会長逃亡 - 日本経済新聞
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