2月第1週(3-7日)の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。新型肺炎の感染拡大で世界経済の減速懸念が高まっていることに加え、日本国債を多く保有する中国の投資家が春節明けで買いを復活させるとの見方も出ている。
市場参加者の見方
◎野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
- 中国の買い手が復活する上、2月は中国以外の海外投資家も買いを増やす傾向。米債対比の妙味も高まっている
- 米金利は利下げ織り込む。新型肺炎はトリガーにすぎず、米供給管理協会(ISM)製造業指数の50割れが続く中、実体経済の弱さに金利が寄ってきた
- 10年入札は、今の金利水準でも海外勢の需要を背景に無難から順調な結果になるだろう
- 20年と40年の入札がやや低調となり、さらに金利が下がった30年入札は良くなさそうだが、超長期では海外勢のスワップ金利の受けが支え
- 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.04%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 世界経済の減速懸念はしばらく続く見通しで、投資家のリスク回避姿勢から主要国の国債には安全資産需要
- 世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言で新型肺炎の感染拡大に歯止めがかかるとの期待も強まったが、不透明感は簡単には払しょくされない
- 10年と30年の入札は消化に問題はないが、金利低下で投資家も上値追いには慎重。相場の上値を抑える要因になるだろう
- 長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.04%
国債入札予定
年限 | 発行予定額 | 前回の表面利率 | |
---|---|---|---|
4日 | 10年 | 2.1兆円程度 | 0.1% |
6日 | 30年 | 7000億円程度 | 0.4% |
主な材料
- 3日:中国本土市場の取引再開
- 3日:米大統領選のアイオワ州党員集会(民主・共和)、候補者指名争いが正式に開始
- 3日:1月の米ISM製造業景況指数
- 4日:トランプ米大統領、一般教書演説
- 5日:日銀の若田部副総裁、講演
- 6日:日銀の政井審議委員、講演
- 6日:ラガルドECB総裁、講演
- 7日:1月の中国貿易収支
- 7日:1月の米雇用統計
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January 31, 2020 at 12:51PM
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【債券週間展望】長期金利は低下か、世界景気懸念や海外勢の買い観測 - ブルームバーグ
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