[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は3日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.75%から0.5%に25ベーシスポイント(bp)引き下げた。新型コロナウイルス感染拡大に対応した措置で、世界各国で同様の刺激策が打ち出されると見込まれている。
豪経済の失速を示す指標が相次ぐなか、過去1年未満で4回目の利下げに踏み切った。
ロウ総裁は短い声明で、新型コロナウイルス流行は豪経済に「重大な」打撃を与えているとし、影響の大きさやどれだけ長く続くかを予想するのは難しいとの見解を示した。
理事会は「情勢を引き続き注意深く見守り、新型コロナウイルスの景気への影響を見極める。理事会は豪経済を支えるために一段の金融緩和を実施する用意がある」とした。
ロイターが前週行ったエコノミスト調査で利下げを予想したのは40人中2人にとどまったが、新型ウイルスがパンデミック(世界的な大流行)に発展する可能性を巡り世界の市場に動揺が走ったことを受け、17人が週初にかけて利下げ予想に転じていた。
一部の投機筋は25bpより大幅な利下げが行われると予想したため、実際の決定を受けて豪ドルのショートカバーを余儀なくされた。これを受けて豪ドルは最近付けた11年ぶりの安値の1豪ドル=0.6559米ドルから持ち直した。
金利先物は、6月までに0.25%への追加利下げが実施されると織り込んでおり、年央には同国にとって初めての量的緩和が打ち出されるとみられている。
モリソン首相は先に、新型コロナウイルス対策で政府は中銀と緊密に協力していると強調した。
首相はまた、国内の大手銀行に対し、貸出金利を引き下げるよう呼び掛けた。
コモンウェルス銀行(CBA)とウエストパック銀は住宅ローンの変動金利を25bp引き下げた。
豪州では観光、輸送、宿泊施設、小売業が、前月以来導入された中国に対する渡航制限の打撃を受けている。
4日発表の同国の第4・四半期国内総生産(GDP)統計では、前期比の成長率が0.3%にとどまったと予想されている。
ロウ総裁は、今年第1・四半期のGDP成長率は従来予想よりも「著しく弱い」公算が大きいと指摘。
AMPのエコノミスト、シェーン・オリバー氏は、豪経済は第4・四半期にマイナス成長に陥った可能性があると分析。「実際にマイナスならば、リセッション(景気後退)が既に始まった可能性がある」と述べ、「リセッション入りのリスクが増大しているため、追加の刺激策が必要なのは明白だ」とした。
*内容を追加しました
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March 03, 2020 at 10:54AM
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豪中銀、政策金利0.50%に引き下げ 新型ウイルス巡る懸念に対応 - ロイター
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