Sunday, August 2, 2020

超低金利で試されるポートフォリオ戦略、株6割債券4割に見直し機運 - ブルームバーグ

Finished 12.5 kilogram gold ingots sit on display at the Uralelectromed Copper Refinery, operated by Ural Mining and Metallurgical Co. (UMMC), in Verkhnyaya Pyshma, Russia, on Thursday, July 30, 2020. Gold surged to a fresh record Friday fueled by a weaker dollar and low interest rates. Silver headed for its best month since 1979.

Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

株式を60%、債券を40%組み入れる米国ポートフォリオの定石は今年、粘り強さを示しているが、一部債券利回りが歴史的低水準を付けたことからストラテジストがここにきて国債の代替を検討している。

   サンフォード・C・バーンスタインは、株式と債券の逆相関が解消される可能性が高いとして、リスクテークを増やし株式や金を有望視するよう推奨。モルガン・スタンレーはポートフォリオのボラティリティー(変動性)抑制とある程度のインカムゲインを提供するには、社債が国債の代替としてベストかもしれないと指摘した。

  モルガン・スタンレーのクロスアセット戦略責任者アンドルー・シーツ氏は「投資家が慣れている従来の標準的リターンを債券が提供できるとは思わない」と述べ、 「当初の利回りは、そのようなタイプのリターンを実現する可能性のない水準にある。投資家は60ー40のポートフォリオへの期待を低めざるを得なくなり、40%を投資できる対象をほかに見つける必要があろう」と語った。

A blend of stock and bonds beat equities while lagging fixed-income this year

  株式と債券の保有を組み合わせる手法は、リスクとリターンのバランスを取るための数十年来の投資の定石だが、超低金利で真価が試されている。新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた米経済を支援すべく先週の連邦公開市場委員会(FOMC)がハト派寄りのメッセージを送ったことから、米5年国債利回りは過去最低を付けた。

   サンフォード・C・バーンスタインのグローバル・クオンツ戦略責任者、イニゴ・フレイザー・ジェンキンス氏は、インカムゲインを得る方法は有配株以外にあまりないと述べ、米配当利回りと債券利回りの差は60年余りで最大に開いていると指摘した。

U.S. dividend yields have exceeded bond yields by most in decades

  モルガン・スタンレーのシーツ氏にとっては、キャッシュに幾分かのメリットがあるという。「株式6割、キャッシュ4割とすると、同様のボラティリティー低下と流動性の恩恵が得られる」と指摘。4割を金で運用するポートフォリオはボラティリティーがかなり高まるだろうと付け加えた。

  ブルームバーグの計算によれば、米国株を6割、債券を4割とするポートフォリオの今年のリターンはプラス6%。株式配分を同程度とし、債券を完全に短期財務省証券などのキャッシュに置き換える場合は、プラス3.3%程度だった。S&P500種株価指数のトータルリターンはプラス2%前後。

原題:
Investors Rethink ‘60/40’ as Ultra-Low Yields Test Portfolios(抜粋)

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