経世彩民 藤えりかの目
この夏、いったいどれだけのモノを売り、譲っただろうか。新型コロナウイルス感染対策で自宅が事実上、住まい兼職場になったのを機に、引っ越しをしてモノを一気に減らした。買い取り事業者やフリマアプリなどを通して次々と手放して感じたのは、コロナ禍でさらに広がるリユース市場で、新たに経済が回って雇用も生み出されればという願いだ。
気温30度を超える9月上旬、タワーマンションが並ぶ東京都江東区へ向かった。空港で貼られた「FRAGILE(壊れ物)」のステッカー付きの大小98リットルと33リットルのスーツケースをゴロゴロと運び、海外旅行にでも行くかのような風情だが、目指すは屋外での中古品買い取りイベント。約20年前に買って使わなくなった腕時計もバッグに忍ばせた。
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リユース店「エコスタイル」を運営するスタンディングポイントが住宅街の一角で9月上旬に開催した買い取りイベント。向かいのスーパーでの買い物ついでに立ち寄る人も=東京都江東区、藤えりか撮影
スーツケースは数々の出張を共にした「盟友」だが、大小積み重ねられないタイプゆえ出先で迅速に取り回せず、数年前に新調。転居先に収納しきれず、お別れを決めた。
会場に着くと、服を詰め込んだ袋を抱えた女性や、18金の結婚指輪を手にした男性ら先客がいた。「コロナで在宅勤務の合間に持ち込む人も多いですよ」と鑑定士さん。
スーツケースを渡すと採寸などを経て2点計7千円。ステッカーがはがれないままだが、「これも味わいになるんですよ」。
一方、腕時計の査定額は50円。さすがに厳しいか……。スーツケースのみ換金した。
私は元来、捨てる行為に罪悪感…
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