新型コロナウイルスの感染拡大で視界不良が続く中、2021年の世界経済は前半こそ低迷状態から抜け出せないものの、後半には持ち直す見通しだ。専門家はワクチンの普及と、各国政府による追加の財政刺激策が景気回復の原動力になるとみている。
緩和継続は余儀なく
米金融大手各社のエコノミストは世界恐慌以来最悪の低迷に陥った世界経済について、昨年末の感染者急増やロックダウン(都市封鎖)措置に伴う規制が逆風となり、21年は不調な滑り出しとなると分析している。
強気な見通しを示しているのは、モルガン・スタンレーだ。同社のアナリストは21年の世界の経済成長率が6.4%に達すると見通し、「V字回復」説を改めて強調。一方、最も弱気な見通しを示したのはシティグループで、世界の経済成長率が5%になると予想した。ただ、5%成長の場合でも、国際通貨基金(IMF)が発表した20年の世界経済の成長率見通し(マイナス4.4%)に比べれば劇的な改善となる。
景気が回復に向かっても、世界の大半の地域ではしばらくの間、雇用とインフレ率の低迷が続くことが予想される。そのため、各国の中央銀行は金融緩和を継続することを余儀なくされるというのが専門家の一致した見方だ。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)・メリルリンチ・グローバル・リサーチの21年の世界成長率予想は5.4%。同社は多くの国が新型コロナの対策に追われる中、21年の世界経済は前途多難なスタートとなると予想。一方、ワクチンの広範な配布と追加の財政刺激策により、年半ばに成長率が上昇すると見通す。ただ、景気が回復しても世界のインフレ率は低水準で推移し、大半の国の政策金利はゼロ近辺に据え置かれる可能性が高いとみる。
これに対しシティグループの21年の世界成長率予想は5%。各国・地域ごとに回復ペースにばらつきが出ることが21年の世界経済成長にとって逆風になると予測。ワクチンの実現などが今後の成長の強固な基盤となる可能性が高いとするものの、コロナ禍で失われた国内総生産(GDP)を取り戻すことは難しいとしている。
また、ワクチンは世界経済の起爆剤となるが、新興国で供給が遅れることが予想され、各国が足並みをそろえて回復に向かうのは22年になるとしている。
鈍い雇用回復ペース
ゴールドマン・サックスの21年の世界成長率予想は6%。同社は20年春のロックダウン終了後に各国の経済が急速に回復したのと同様に、欧州のロックダウンが解除され、ワクチンが利用可能になれば、経済は大きく持ち直すとしている。
先進国の中銀は今後数年間にわたり金融緩和を続ける可能性が高いと予測している。力強い景気回復を見込んでいるものの、雇用の回復ペースは鈍く、インフレ率も中銀の目標を下回るとみているためだ。
JPモルガン・チェースの世界成長率予想は5.8%。同社は欧米を中心に、世界経済成長が年初に急速に鈍化すると予想。ただ、ワクチン開発の成功が移動制限措置の終了につながるとの確信が強まったため、21年全体の見通しは明るい。
モルガン・スタンレーの世界成長率予想は6.4%。V字型の回復予想を改めて示し、世界経済は21年4~6月期までにコロナ禍前の軌道に戻ると予想した。先進国と新興国の両方が、世界的なリフレの次の段階を牽引(けんいん)すると予測。成長率が急速に回復に向かったとしても金融緩和は継続され、インフレ率の上昇に向けた基盤になるとみている。(ブルームバーグ Simon Kennedy)
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January 01, 2021 at 02:07PM
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世界経済は後半持ち直しへ エコノミスト今年の見通し、ワクチンと財政原動力 - SankeiBiz
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