インフラ問題の危険度
先日、そんなことを霞が関界隈を担当する記者と話をしていたら、気になるネタがあった。公共インフラの老朽化問題だ。新型コロナの問題はワクチン接種率が高まることで落ち着いていく可能性が高いが、インフラ問題はすぐには消えないし、これから危険度が増していく。 日本のインフラは古くなっていて、その影響で、どこかで事故が起きるかもしれない。組まれた予算や、予算の執行計画を変更するのは難しいかもしれないが、それでも使いきれない予算があるのならば、コロナ後の日本のためにリソースを回そうとする意識があってもいいかもしれない。 というより、そうしないといけないくらい、インフラの老朽化は深刻になっている。この問題は、将来の経済やビジネスにも影響を及ぼしかねないが、逆にうまくインフラを整備すれば、ビジネスの新しい芽が出てくるかもしれない。もっとも霞が関では対策をしようとする動きが出ているようだが、それがきちんと実行できるのか、コロナ対策を見ていると心配になってしまう。 国土交通省の「社会資本の老朽化の現状と将来予測」では、すでに存在するインフラ施設のうち、設置後50年が過ぎるインフラの割合を予測している。インフラ施設の場合、設置から50年ほどが経つと、事故や破損などが起きる可能性がぐっと高まると言われている。そうなってはいけないので、修理が必要である。 道路の橋では2033年までに、全国にある73万橋のうち、約63%が設置から50年を過ぎる。全国に1万本あるトンネルの場合、約42%が50年を過ぎ、河川管理施設は約62%が該当する。 さらに少し前から水道管の老朽化も問題になっている。水道管の多くは、70年代くらいまでの高度経済成長期に作られていて、そろそろ寿命の時期になりつつある。そんなことから、全国で漏水事故が年間2万件近く発生しており、ビジネスや経済活動にも影響を及ぼしかねない。しかも自治体などは予算が不足していて、きちんと対策できていないとも指摘されている。 これは日本だけの課題ではない。インフラの老朽化は、海外でも大変な事態になっている。 例えば、米国。全米にある約62万橋のうち、40%以上が築50年を超えている。また全体の7.5%が「欠陥あり」と認められていて、すぐにでも修繕が必要な状態である。また全米のトンネルでは、全体の12%が築100年を経過している。
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July 01, 2021 at 06:13AM
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