Sunday, October 31, 2021

足元の経済状況を踏まえると大規模な経済対策は不要、規模を限定し迅速な執行を - ダイヤモンド・オンライン

2022年4~6月期の
需給ギャップの見通し

2022年4~6月期の需給ギャップの見通し出所:日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査(10月)」などを基に日本総合研究所作成

 10月31日に投開票が行われる衆議院議員選挙では、新型コロナウイルス対策と今後の経済政策が大きな争点となっている。10月4日に就任した岸田文雄新首相は、8日の閣議でコロナ対策を盛り込んだ新たな経済対策の策定を指示しており、与党内からは数十兆円規模の対策を求める声が出ている。

 こうした中、筆者は経済対策の策定に反対ではないが、いたずらに規模を拡大すべきではないと考えている。確かに、コロナ禍での経済活動の落ち込みは非常に大きく、日本経済が直面する需要不足は、年率換算で22兆円(2021年4~6月期)に上る。もっとも、足元ではワクチン接種の進展などを背景に新型コロナの感染者数が大幅に減少し、個人消費が回復に転じる兆しが出てきている。経済対策の財源の裏付けとなる補正予算の成立と、その執行にはかなりの時間を要するため、経済対策の景気押し上げ効果が顕在化する頃には、足元よりも需要不足は縮小している可能性が高い。

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今後の景気動向は新型コロナの感染状況に左右されるゆえに

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