パンデミック収束後の「新たな経済危機」とは
昨年前半、消費増税前に盛り上がったMMT(現代貨幣理論)ブームが、コロナ危機により再び引き起こされている(写真:YNS/PIXTA)
コロナ危機によって再燃しているMMTブーム
MMTブームの「第1波」が消費増税と共に盛り上がったのに対し、「第2波」は、新型コロナウイルスによるパンデミック(「コロナ危機」)によって引き起こされている。
コロナ危機によって経済活動が全面的に停止したことで、1930年代の世界恐慌以来、最悪と言われるグローバルな大不況となった。これに対して、各国は、財政支出をかつてない規模で拡大せざるをえなくなった。わが国においても、例えば、一律10万円の給付金に象徴されるように、財政支出の拡大が求められた。
確かに、大規模な財政出動なくして、この危機を乗り切ることは不可能であることは、誰もがわかっている。しかし、大規模な財政支出を可能とする財源は、わが国のどこにあるというのか。もし、大規模な財政出動によって国民を困苦から救ったとしても、その結果として、国家財政が破綻してしまうのではないか。
こうした疑問から、財政政策に関する関心を高め、調べ始めた人々がいた。そこで彼らは、「財政赤字は、問題ではない」「日本は、財政危機ではない」と主張するMMTに触れたのである。
その結果、以前であれば、よく知ろうともせずに「ばかばかしい」と一蹴していたかもしれない人や、「経済は難しくてわからない」と敬遠していた人までもが、MMTについて真面目に受け止め、もっと知りたいと思うようになっている。それは、なぜか。言うまでもなく、このコロナ危機の中で財政赤字を拡大できるか否かに、われわれ国民の生死がかかっているからだ。
その意味で、MMT「第2波」は、「第1波」よりも大きなうねりとなりつつある。そのタイミングで投じられた森永康平氏の『MMTが日本を救う』は、この「第2波」をもっと大きな運動へと変えていく可能性を秘めている。
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June 01, 2020 at 04:20AM
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新型コロナが引き起こす「MMTブーム」の第2波 - 東洋経済オンライン
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