インドのデジタル経済の地殻変動が続いている。5月末にはアマゾンインディアが5万人の追加雇用を発表し、6月にはオンライン教育サービスを提供するバイジューが新規の資金調達で時価総額1兆円を超えた。教育系企業では、インドで初めて時価総額1兆円を超えたことになる。
1997年慶応大総合政策学部卒、ソフトバンク入社。2000年ネットプライス(現BEENOS)社長、同社を上場に導く。15年シンガポールを拠点に起業家支援のBEENEXT設立
そして、7月には米老舗ベンチャーキャピタルのセコイアキャピタルが、インド・東南アジア向けに過去最大額の約1450億円の新ファンドを立ち上げた。その1週間後にはグーグルがインドのデジタル化加速のために、今後5~7年で総額約1兆700億円の投資を行うと発表した。
他方、6月末にはインド政府がティックトックやウィーチャットを含む中国系のアプリ59種類を突然禁止。インドローカルのソーシャルアプリにユーザーの乗り換えが殺到する事態も発生した。ダイナミックな動きが続くインドのテック業界だが、中でも話題の中心は、インド最大財閥のリライアンスグループのデジタル事業戦略子会社「ジオ・プラットフォームズ」だろう。
同社は、リライアンス・ジオという2016年に始まった新進気鋭の携帯キャリアサービスが主力だ。携帯キャリアとしてはインド最後発である同社は、圧倒的な低価格4Gサービスを武器に、瞬く間に4億人のユーザーを獲得、一気にインドでシェアナンバーワンになった。そして、膨大なユーザーを対象に様々なモバイルサービスを展開。通信と各種デジタルサービスを複合的に組み合わせながらデジタルの生態系を作るという戦略を打ち立てた。
テレビ、ゲームなどのオンラインコンテンツ、チャットなどのコミュニケーションサービスに加え、デジタル決済サービスやeコマースまでまさに全方位での展開を進めている。また、既に10社以上のスタートアップに出資したり、買収したりしており今後も様々なサービスを追加していくことは間違いない。さらには過去3カ月の間に巨額の資金調達の発表を行い、フェイスブックとグーグルの双方からそれぞれ数千億円規模の投資を受け、パートナー企業として招き入れた。
米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)やアラブ首長国連邦(UAE)の政府系ファンドといった名だたる投資家からも資本を受け入れ、総額は2兆円以上となった。グループの総裁であるムケシュ・アンバニ氏は、グループ会社のジオプラットフォームズ社を5年以内に上場させる計画を明らかにしている。同社は、インドのデジタル経済の行方を握る重要なプラットフォームとなりつつある。アメリカにGAFAMが、中国に百度(バイドゥ)、アリババ集団、テンセント(騰訊控股)のBATがあるとすれば、インドにはこのジオがある。ますますインドのデジタル経済から目が離せない。
[日経産業新聞2020年8月28日付]
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August 31, 2020 at 02:30AM
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