Thursday, November 5, 2020

税収の下方修正 きしむ財政に危機意識を | 社説 | コラム - 熊本日日新聞

 先進国で最悪レベルにあるとされる日本の財政状況が2020年度に入り、一段ときしんでいる。相次ぐ財政出動で借金への依存度は高まる一方で、政府内で将来世代へのつけ回しの財政構造になっていることへの危機意識が薄れていないか心配だ。

 20年度の税収について、政府が当初予算で見積もっていた過去最高額の63兆5130億円から、数兆円規模で下方修正する方向で検討に入ったことが新たに分かった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で企業業績が悪化して、法人税収が大きく落ち込むのが主因だ。

 その一方で政府はコロナ禍に対応した追加の経済対策のため、10兆円規模の20年度第3次補正予算を年末に編成する方針。コロナ対策名目の予備費がまだ残ってはいるが、税収の下振れ見通しもあって赤字国債の追加発行を余儀なくされそうである。

 過去にはリーマン・ショックの影響を受けた08年度の第2次補正予算で税収見通しを大幅に下方修正したケースがあった。当時も景気対策が急務で、財政投融資特別会計の積立金取り崩しに加え、国債を7兆円超増発した。

 今回、コロナ対策が喫緊の課題であるのは理解できるものの、政府が実行すると約束してきた財政健全化は一段と遠のきそうだ。長期的に持続可能な財政への目配りが一層欠かせなくなっている。

 政府はコロナ禍で経済が失速する中、20年度になってこれまで2度の補正予算で計57兆円超を支出。その財源は全て借金で賄っており、当初予算から合わせた20年度の新規の国債発行額は過去最大の90兆円超に上っている。

 この結果、政策経費を税収などでどれだけ賄えるかを示す「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」の赤字は当初予算段階の9兆円余から66兆円を超えた。コロナ禍という不測の事態に見舞われたとはいえ、政府がこれまで繰り返し言ってきた「経済成長と財政健全化の両立」は困難で、「25年度にプライマリーバランスを黒字化する」とする目標の達成も絶望的な状況である。

 新たな借金のため発行される国債は民間で購入しきれない分は日銀が市場から買っている。このため買い手が不足して、すぐに金利がはね上がるような事態を招くことはなかろう。ただ借金体質にどっぷりと漬かり、財政規律が緩んだままだと、今後の経済に危うい事態を招きかねない。

 膨らんだ借金を減らすのはなかなか難しい。補正予算は雇用や生活を守るための対応だとしても、使い道に公益性や緊急性があるのか、国民自身もつぶさに監視する必要がある。

 次の衆院選を見据えて、与党からの歳出圧力が今後高まる可能性を指摘する声もある。財政支出に当たって、政府には国民が納得できるよう使途や財源、負担の在り方について説明する責任が一層大きくなっていることを改めて指摘しておきたい。

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